半導体用語集

表面EXAFS

英語表記:surface EXAFS (surface Extended X-ray Absorption Fine Structure)

 広域X線吸収微細構造EXAFSを表面に応用したもの。さらに略してSEXAFSということも多い。測定対象や検出方法は表面XANESと同様である。主として吸着原子・分子系の表面局所構造に関して,原子間距離などの定量的な情報を与える。表面XANESにくらべて,高い信号強度を必要とし,長いエネルギー範囲を安定に掃引しなければならはないので,一般に測定が簡便でないのが欠点である。
 EXAFSは一次元的情報であるが,直線偏光を利用することで配位原子の立体的構造を知ることができる。EXAFSで求められる配位数Nは偏光依存性がある場合,有効配位数N⋆で置き換えられる。N⋆は,K吸収端の場合,以下の式で与えられる(下記参照)。iは配位原子を示し,和は原子間距離が等価なものに関して取るものとする。Nは実際の配位数,δiは吸収原子-散乱原子を結ぶベクトルと入射X線の電場ベクトルのなす角である。系が3回対称以上の対称性を持つ場合はX線の入射角を極角で54.7°(表面垂直とX線の電場ベクトルのなす角)とすると偏光依存性が相殺される非偏光のデータとなる。すなわち有効配位数は実際の配位数に等しくなる。有効配位数の偏光依存性から観測している吸収原子-散乱原子対の結合角δi(の平均)を求めることができる。このことは通常,基板原子配列に対するX線吸収原子の吸着位置を決定する手段として利用されている。
 測定方法について補足しておく。表面XANESでも同様であるが,表面からの微弱な信号を強大なバルク信号
からいかに効率よく抽出するかが課題であり.表面EXAFSは表面XANESより強度的にはるかに困難である。蛍光X線収量法を用いる場合はバルクからの蛍光がない時でも弾性散乱X線を取り除く工夫が必要である。このために全反射入射条件がしばしば用いられる。物質のX線に対する屈折率は1よりわずかに小さいのでX線の入射に関して臨界角が存在する。臨界角は.重元素ほど,X線のエネルギーが小さいほど大きくなるが.おおむね1゜程度以下である。臨界角以下のすれすれ入射ではX線は試料内部に侵入できず全反射する。つまりこの条件下ではバルクからの弾性散乱などの信号を効率よく除去できる。また表面近傍には全反射によるX線定在波が生じX線の電場強度が強められるため表面からの信号強度はむしろ大きくなる。高エネルギー領域のX線を用いる表面EXAFSでは全反射入射法は通常行われる手法である。
 電子収量法の場合は部分電子収量法(検出器の前に阻止電場をかけ,その電圧以下のエネルギーの電子を除外する方法)が最も一般的である。全電子収量法ではバルクからの信号が強すぎることが多く,Auger電子収量法では広範囲にエネルギーを掃引することで光電子のピークがあるエネルギーの時に混入してしまうことが多い。電子収量法は蛍光X線収量法にくらべてどうしてもバルクからの光電子をひろうので信号強度比が低いが,たとえば1,000eV以下の低エネルギー領城では蛍光X線崩壊確率がそもそも小さすぎるので,この領域では部分電子収量法が一般的である。


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