半導体用語集

雑音余裕

英語表記:noise margin

 デジタル回路では、ある電圧レベルVᴛを境に信号電圧が、それより高い場合その信号を“H (High)"、低い場合“L (Low)”とするというように二値的状態を取り扱う。電圧値Vᴛはしきい値と呼ばれ、デジタル回路に用いられる素子の特性によって決まるが、同じ種類の素子を複数使用する場合は、個々の素子特性にばらつきがあるため、回路全体としてはある程度幅を持つことになる。いま、しきい値レベルの上限値がVᴛ₁、下限値がVᴛ₂である時、ある素子が"H"としてVʜなる電圧レベルの信号を出力し、それが次段の素子に伝搬する場合を考えると、伝搬の途中で外乱などの理由によりVʜがVᴛ₁まで低下したとしても、次段の素子では"H"として処理される。また、"L"としてVʟなる電圧レベルの出力信号が次段の素子の入力端子に伝送される場合、Vʟが伝送途中でVᴛ₂まで増加しても"L"として処理されることになる。このように、回路内の信号が"H"あるいは" L"として正しく扱われるための電圧レベルには余裕があり、この電圧レベル範囲内で信号に雑音が付加されても、デジタル情報が失われることはない。この時Vʜ-Vᴛ₁をハイレベル雑音余裕、Vᴛ₂-Vʟをローレベル雑音余裕という。

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