半導体用語集

電子ビーム形状

英語表記:beam profile

試料面上で電子ビームが持つ電流分布を電子ビーム形状と呼ぶ。
リソグラフィに用いる電子ビームを形状によって分類すると、電子銃近傍で作られるクロスオーバ像を試料面上に縮小投影してえられるガウシアンビーム(スポットビームとも呼ぶ)、電子銃から放出された電子ビームを2枚 のアパーチャの重なりを変えることで,成形したアパーチャ像を試科面上に縮小投影してえられる可変成形ビー ム、アパーチャの開口形状どおりの成形ビーム像を試料面上に縮小投影して えられるキャラクタビーム(セルビームやブロックビームとも呼ぶ)がある。これらの電子ビーム形状は電流分 布を測定することによって知ることができる。電子ビームの電流分布を直接的に精度よく求める方法としては、ナイフェッジ法が一般的である。鋭利な縁を持つ金属片(ナイフェッジ)に対してビームを直角方向に偏向走査し、 ナイフェッジの下方に置いたファラデーゲージへの入射電流の変化を計測する。しかしそのままでえられる値は電流分布の積分値であるため、入射電流の変化を微分して電流分布を求める。
キャラクタビームのような複雑な形状をしたビームの電流分布はナイフェッ ジ法では求められないので、たとえばサブミクロン以下の微小孔上をビームで二次元走査し、孔の下部に設けたフアラデーゲージで孔の通過電流を計測する方法が提案されている。 間接的にビーム形状を求める方法としては、徴小マークからの反射電子信号を用いる方法が一般的である。試料面と同じ高さに設けられた微小な重金属マーク上をビームで二次元走査すると、マークからビームの分布に比例した電子が反射される。 この反射電子信号を偏向回路のビーム走査信号に同期させて記録すると偏向位置に対応したビームの二次元分布をえることができる。


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