半導体用語集

電子線リソグラフィ

英語表記:Electron Beam lithography

 電子線リソグラフィは,光リソグラフィにくらべて波長が桁違いに短く,ナノメートルオーダの解像度を持ち,また,電磁界の変化に早く応答することができ,電磁界によってそのエネルギーと方向を容易に制御することが可能で,レジスト塗布基板上で細く絞った電子ビームを設計データに基づき走査してパターンを描画し,これを現像して微細パターンを直接製作するパターン創性機能があるリソグラフィ技術である。そのため,光やX線などの露光マスクのパターン形成に用いられる。レジスト高分子中に入射した電子は,二分子の主鎖間が結合する架橋あるいは主鎖のC-C結合が切れる崩壊を生じさせる。電子線リソグラフィはこれらの電子の性質を活かして,電子ビームに感光するレジストを塗布し基板上に電子線を照射して,高分子中に入射した電子が構成分子の架橋あるいは崩壊を生じさせ,微細高精度にパターン形成をする技術である。レジストに電子線を照射すると,レジストを構成する高分子は電子との衝突により,エネルギーを受けて高分子の鎖の一部が切断されて分子量が小さくなるか,あるいは他の高分子と結合して大きな分子量の高分子に重合される。その高解像度性のために,光リソグラフィの解像度限界を超える次世代技術と位置づけられているが,その生産性が光方式に及ばないため,マスク製作や少量多品種超LSIの製造には威力を発揮している。これまでの,ポイント型,可変成形型,部分一括露光型に加えて,最近では,光露光技術と類似の一括転写タイプの開発も行われており,最産技術への展開が期待されている。


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