半導体用語集

高周波増幅器

英語表記:high frequency amplifier

交流信号を増幅する手段は,入力信号に対して増幅器が動作する電圧にバイアスする手段,増幅器の入力トランジスタ,トランジスタが動作するように電流を供給する手段,および負荷により構成される。周波数が低ければ,入力の動作点を決めるためのバイアス回路に信号を入力するための結合容量の値やバイアスするための抵抗の値が非常に大きくなり,集積化すると経済的でないので集積回路の外に接続するか,差動増幅回路のように信号入力の動作点に対する制約が少ない回路を用いる。ギガヘルツ帯のような高い周波数では,差動回路のように電流経路が二つの回路は電流効率が悪いので,ディスクリート部品でよく用いられる回路を用い,受動部品も値が小さくなるので集積化することが可能となる。また,電流を供給する手段には抵抗の代 わりにコイルと容量による共振器を用 いることもできる。コイルの構造は平面にらせん型にパターンを描いたものになる。シリコン集積回路の場合には基板が導電性の高い半導体であるため,誘導損失がガリウムヒ素にくらべて大きい欠点がある。 通常のアナログ・デジタル混載集積回路では直結構造をとるので,ばらつきによる動作点の変動を避けるため,最小チャネル長のトランジスタを用いることは非常にまれであるが,高周波回路では最小チャネル長のトランジスタを用い,増幅段間の結合を容量ですることにより動作点の変動による特性劣化を防ぐ。 最近では利得が20dB以上の回路で,数10MHzの増幅回路までは差動増幅回路を用い,それ以上の周波数 でシングルエンデッドのMOS集積回路ではソース接地,バイボーラ集積回路ではエミッタ接地の回路が用いられる。利得がそれ以下ではほぼ例外なく差動型の回路がよく用いられる。


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