半導体用語集

PIII

英語表記:Plasma Immersion Ion Implantation

 プラズマに基板を曝すことによりイオンを基板中にイオン注入する方法であり、米国Silicon Genesis社から1998年に発表された。
 PIIIはプラズマで発生したイオンを質量選別せずに電界で加速し基板中にイオン注入する。全面同時にイオン注入するため、スループットが通常のイオン注入より格段に向上することが特徴である。このため、ドーズ量の大きいイオン注入が必要なSIMOXや、水素イオン注入を用いた貼り合わせSOI(スマートカット)への応用が提案されている。
 SIMOXへの応用はSPIMOX(Separation by Plasma IMplanted OXygen)と呼ばれる。イオンはプラズマで生成されるO⁺、O₂⁺が用いられ、イオン分離せずイオン注入される。プラズマドーピング時に基板温度は500~700℃に上昇する。イオン注入後の酸素プロファイルにはそれぞれの成分がみられるが、イオン注入後の熱処理によりSIMOX同様均一な埋め込み酸化膜層が形成される。電界は基板とプラズマ間に印加され、埋め込み酸化膜の均一性はSIMOXと同様である。PIII装置は非常に小型でイオン注入時間は基板の口径にもよるが、200mm⌀で通常のイオン注入装置の~1/6、300mm⌀では~1/12と短く、薄膜SOIのコスト低減に有力な方法である。
 貼り合わせSOIへの応用では、薄膜Si層を形成するSi基板に酸化膜を通して水素をイオン注入し、支持基板と貼り合わせた後劈開するが、この劈開を極細のニードルから噴出させたN₂ガスを用いて室温で行う点がスマートカットと異なる。劈開後は貼り合わせ強度を確保するための熱処理とタッチポリッシュを行うが、室温で劈開を行うため水素イオン注入ダメージが結晶欠陥に成長することが防止でき、薄膜Si層の結晶性はスマートカットを用いたUNIBONDウェハより改善されるという。また、劈開はスマートカット同様ウェハ全面にわたってスムーズに起こるためエッジポリッシュなどの加工は不要である。

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