半導体用語集

Si酸窒化

英語表記:nitridation of Silicon oxide

Si酸化膜を窒素中で加熱しても窒化は進行しないが、アンモ=アを用いると以下の反応が起きる。
    3SiO2+4NH3→Si3N4+6H2O
    2Si02+2NH3→Si2N20+3H2O
それぞれに対して反応エネルギー変化は、25 kcal/molであるが、窒素の場合の400kcal/mo1にくらべると十分小さい。500℃以上の温度ではアンモニアは熱分解して、発生する水素が酸化膜を遠元しSi未結合手の窒化が促進される。酸化種の混合が多い時には酸化膜の還元が妨げられ、Si酸化膜の表面ではなく、酸化膜を拡散した窒化種によるSi界面の窒化が顕著になる。
Si窒化酸化膜は窒化条件により厚さ方向に窒素の分布ができるが、
CVDのような堆積膜とは違ってその界面は連続的であるため界面欠陥は発生しない。アンモニアを使って厚い酸化膜を窒化する場合は、水素の効果によってホットエレクトロン捕獲準位が発生する。
Si窒化酸化膜の密度、屈折率、比誘電率は窒化が進むはどSi窒化膜の値に近くなる。また、絶縁破壊に至るまでに流れる電流密度はSi酸化膜の2倍以上になる。この他、不純物拡散阻止力、金属との反応防止、放射線照射耐性など窒化膜に近い特性がえられる。
アンモニア窒化したSi酸化窒化膜を再酸化することで水素に起因した電子トラップを低減してホットキャリア耐性を向上することもできる。しかし、酸化窒化膜は成膜方法を誤るとVthの変動や初期特性の変動を引き起こすこともあるため、これらを僅少にして信頼性も維持できるような酸窒化条件を選択する必要がある。


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