半導体用語集

カーケンドールボイド

英語表記:Kirkendall void

 二元系拡散対において格子面の移動が相互拡散中に起こる現象をカーケンドール拡散といい,拡散速度の差により形成される空洞のことをカーケンドールボイド,またはカーケンドール空孔という。
 半導体におけるカーケンドールボイドの代表例は,AuボールボンディングにおけるAuワイヤとAl電極パッドとの接合部が高温下で長時間曝された場合に,金属間化合物層と組成不明のブラックフェーズ層が形成され,このブラックフェーズ層中に多数存在するカーケンドール空孔が連結することによる接合強度不足や電気的オープン不良がある。
 また,Alウェッジボンディングにおいても,Auめっき膜とAl細線の接合部が高温下で長時間曝された場合に形成される金属間化合物のAu₅Al₂とAuとの界面で,カーケンドール空孔が発生し,同様の不良となる。
 近年,ボンディング用金細線にAlと結合性の強い元素を添加し,Au中へのAlの拡散速度を遅くして,カーケンドールボイドの発生を抑止する高信頼性ワイヤが開発されている。


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