半導体用語集
セルプロジェクション
英語表記:cell projection
メモリのような繰り返しパターンの単位領域を一括露光することでショット数低減を狙った部分一括露光方式をセルプロジェクション方式と呼ぶ。キャラクタプロジェクション、ブロック露光などとも呼ばれている。この露光方式では、デバイスパターン形状の開口を設けたステンシルマスクを用い、これにビームを通すことによりビーム形状をデバイスパターン形状に成形している。メモリのような繰り返しパターンの場合、アパーチャを繰り返しの基本パターン形状に加工しておき、露光の際にはスタンプを捺すように一括露光を繰り返す。単位領域の大きさは5μm □程度で、その領域に含まれるパターンを一括露光できるので、可変整形ビーム方式にくらべて10分の1から 100分の1にショット数を低減することができる。ショット形状によって1 回のショットで露光するバターン面積が大きく変化するが、クーロン効果によって焦点位置も変化する。これに対応して、露光面積に応して焦点をダイナミックに補正している。
アパーチャはSiウェハをベースにしており、膜厚10~20 μmのメンブレン領域に開口を設けたステンシルマスクである。加工には、半導体微細加エプロセス技術を用いている。開口パターンは25分の1から60分の1に縮小されてウェハ上に投影露光される。
そのため、アパーチャに対する要求加工精度は比較的低い。 ビーム寸法がアパーチャの開口寸法 とレンズ系の縮小率によって決定されるため、可変整形ビーム方式で問題となるビーム寸法変動が起こりにくい。可変整形ビーム方式では徴小ショットを組み合わせて露光しなければならなかった斜線バターンなどを一括露光で きるので、パターンの質を向上させることができる、などの特徴がある。
ただし現状の描画装置ではアパーチャの数に制限があり、すべてのパタ ーンを部分一括露光化することはできない。可変整形ビーム方式を併用せざるをえないため、描画パターンによってはショット数低減効果をえにくい場合もある。特に、ロジックデバイスの ような不規則なパターンの場合には、 一括露光ビームの繰り返し使用率が小さく、ショット数低減効果は低い。今後、アパーチャ数を増やしていくことが必要であろう。また、一括露光領域内のパターンが高細密化すると、クーロン効果によるビームボケが無視できないほど大きくなり、解像性の劣化が起こる。電流量を下げることでクーロン効果を回避しようとすると、電流密度を下げれは露光時間が長くなるし、ビームサイズを小さくするとショット数が増加してしこの問題を解決する方法として、加速電圧を高くすることでビームボケを小さくした電子光学系や、ビームボケ分だけビーム寸法を細めて露光する描画技術などの提案が行われている。
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