半導体用語集

ドライエッチング

英語表記:dry etching

溶液を用いるウェット法に対して、活性なラジカルや反応性ガスのプラズマを用いたエッチング法をドライまたはプラズマエッチングと呼ぶ。本方法の基本は、真空容器に活性な気体、たとえばフッ素原子を発生させ、これが固体のSiと反応して揮発性のSiF4ガスとして気化させ、外部に排気することによって行われる。本方法は、1969年にS. Irvingによるガスプラズマを用いたエッチング方法の特許に端を発する。そして酸素ガスのプラズマによるレジストの灰化やCF4プラズマによるSiエッチングで実証された。このエッチングは、円筒型石英容器の外周に設けたコイルに13.56 MHzの高周波電力を印加して発生させたプラズマから生した酸素やフッ素のラジカルによる等方性ェッチングだった。その後,平行平板型リアクタにおいてウェハを載置した下部電極に13.56MHz などの高周波電力を印加し、そして発生した負の自己バイアス電圧により、 反応性プラズマから生じたイオンを加速して被エッチング材に衝撃させるRIE (反応性イオンエッチング)法が開発された。このRIEによる垂直な壁を有する形状と積層膜における下地への高選択性がえられることがわかり、この間のLSIの微細化に大きく貢献してきた。現在ULSIの工ッチングプロセスではドライ法がほば100% 占め、不可欠となっている。しかし、フッ素原子による等方性エッチングも、異方性エッチングにより除去されなかった部分やSiウェハの洗浄などに用いられている。LSIデバイスに用いられる材科は、今まではSiやSi系化合物、 Alやw などが用いられ、ドライエッチングではこれらの元素の高揮発性物を生成できるハロゲン系の原子や分子を含むプラズマが用いられてきた。しかし、そのエッチング反応はエッチング装置内に生じた多種のイオン、ラジカル、分子、原子および電子が緊密に関与し、きわめて複雑である。これらの組成比は励起手段、およびその電力、圧力、流量、ガス混合比、電極および容器壁材料とその温度、被エッチング材などによって異なる。一方、ULSIの加工プロセスでは、近い将来は300mm径の大口径ウェハ上に、0.1μm以下のパターンと10以上の高アスペクト比を持つ徴細構造を高速に加工しなければならない。そのためには、低圧力下で高密度プラズマを用いて方向の揃った均一な高電流イオン束を大面積で生成する必要があり、種々のプラズマ源が研究・開発されている。しかし、磁界の存在、反応性ガスの高度な解離、容器壁との相互作用、そして本質的にはプラズマの生成機構に基づく種々の間題が山積みし、特に重要な電子工ネルギー分布の解明とその制御の解決が急がれている。一方、プロセス面では、高アスペクト比化した孔や溝を形成すると、マイクロローディングや形状異常などが起こり、孔底と下地とのエッチングの選択性、チャージアップによる薄い酸化膜の静電破壊など様々な問題が生じている。さらに、白金、銅、強誘電体など揮発性が低い材料も新機能化を求めてデバイスに導入され、ドライエッチングへの課題がますます難しくなっている。


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