半導体用語集
ドーズウインドウ
英語表記:dose window
SIMOXではSi基板に酸素をイオン注入後、高温熱処理することによりイオン注入された酸素と基板Siを反応させ基板内部に埋め込み酸化膜を形成し、埋め込み酸化膜上に薄膜Si層を形成する。埋め込み酸化膜厚にもよるが連続した埋め込み酸化膜形成には ~ 1 x 1018
cmー2以上のドーズ量が必要と考えられていた。また、 Si基板表面にはイオン注入ダメージが導入され、高温熱処理の回復過程で貫通転位が薄膜Si層に発生する。貫通転位密度はドーズ量が少ないほど小さくなる ため、この貫通転位の低減と埋め込み酸化膜の完全性の両立がSI OXの 課題であった。 1X1018 cm-2以下のドーズ量では連続した埋め込み酸化膜の形成が困難と考えられていたが、狭い範囲ながら4.0士0.5X1017cmー2のドーズ量では連続した埋め込み酸化膜が形成可能なことが発見され、このドーズ量はドーズウインドウと呼ばれる。 ドーズウィンドウでは薄膜Si層の貫通転位密度も1X103cmー2以下に減少し、 埋め込み酸化膜の絶縁特性と薄膜Si層の結品性の両立が図られている。 なお、 酸素イオン注入後の熱処理条件を工夫し、ドーズウィンドウを広げる試みが行われ、2.0~6.0×1017cm-2に拡大可能との報告がある。
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