半導体用語集

埋め込み酸化膜

英語表記:buried oxide

 SOI基板で薄膜Si層と基板の間の酸化膜を埋め込み酸化膜と呼ぶ。
 埋め込み酸化膜の形成方法には2種類ある。一つは酸素イオンをSi基板にイオン注入後、高温で熱処理し、注入された酸素と基板Siを反応させて基板内部に埋め込み酸化膜を形成するSIMOX法。もう一つは一方のSi基板表面にSi酸化膜を形成し酸化膜を介してもう1枚のSi基板と貼り合わせた後、一方のSi基板をポリッシングやエッチングにより薄膜化し埋め込み酸化膜を形成する貼り合わせ法である。
 SIMOX法では~1×10¹⁸ cm⁻² 以上の酸素ドーズ量であれば、隙間のない連続した埋め込み酸化膜が形成される。しかし、薄膜Si層に発生する貫通転位を減少するにはドーズ量を少なくする必要があり、< 1×10¹⁸ cm⁻² の低ドーズでも 4.0±0.5×10¹⁷ cm⁻²(ドーズウィンドウ)であれば連続した埋め込み酸化膜が形成されることがわかり、貫通転位の少ないSIMOXが可能になった。SIMOXの埋め込み酸化膜には、酸素イオン注入時に基板表面に付着したダスト起因のピンホールが発生するが、埋め込み酸化膜を形成する高温熱処理後に酸化処理することで基板表面から供給された酸化物質が埋め込み酸化膜を酸化するITOX法(internal oxidation)により低減することができる。また、埋め込み酸化膜にはSiO₂にならない過剰SiによりSiアイランドが形成されるが、ドーズ量を低減することにより減少する。ピンホールやSiアイランドは埋め込み酸化膜の絶縁耐圧を劣化させるため減少する必要がある。SIMOX法で埋め込み酸化膜を厚くするにはドーズ量を上げる必要があるが、薄膜Si層に貫通転位が多発するため実用的には限界がある。また、薄膜Si層、埋め込み酸化膜界面のマイクロラフネスは貼り合わせ法で形成した場合より大きく、界面準位の増加が懸念される。
 貼り合わせ法の埋め込み酸化膜は熱酸化で形成するため、SIMOXでみられたピンホールやSiアイランドはない。厚さは酸化時の温度や時間で制御できるため10nm~3μmの広い範囲が可能である。

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