半導体用語集
バイアススパッタ
英語表記:bias sputter
基本的にはDCマグネトロンスパッタにRFバイアスを印加する方式である。DCバイアスを印加する方式も用いられることはあるが、ウェハプロセスでは酸化膜がついている場合が多くバイアスがかかりにくいのであまり用いられない。バイアス用の周波数は13.56MHzが多く用いられる。周波数が低くなると基板入射イオンエネルギー分布が広がり、高エネルギー成分が出てくるからである。 エネルギーの高いイオンが基板に入射するとイオンダメージやArの基板内への取り込みがあるため、エネルギー幅を狭くして低エネルギーイオンを作ることのできる13.56MHzあるいはそれ以上の周波数が用いられる。真空室内にICP (Inductively Coupled Plasma) 用アンテナを設置してイオン化を促進した方式のバイアススパッタ装置も提案されている。
0.3 μmɸ以下でアスペクト比4以上のホールに対するスパッタ成膜では、孔底部への膜形成ばかりではな 側壁部への膜形成が問題となる。通常,スパッタ時の圧力は0.1 Pa付近であるが,このような圧力では,微細孔底部への膜形成はできても側壁部への膜形成は難しい。そのため、より高い圧力で成膜することが試みられた。しかし,圧力が高いと平坦部への膜形成速度のみが増加して、孔内部にスパッタ物質が入らす、孔底部および側部への形成速度は増加しないうえに膜密度が低下する。そこで考えられたのがバイアススパッタである。低いバイアスを印加することにより、膜密度の増加およびバイアスによるイオン引き込みを利用して、孔底部および側部への膜形成を促進することができる。通常、バイアススパッタは数Paの圧カ下で行われる。
バイアススパッタにより平坦化成膜も試みられたが、CMP (Chemical Mechanical Polishing) が実用化されて以来はとんど研究されなくなった。
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