半導体用語集
ファセット
英語表記:facet
理想的な平衡状態での結晶表面では、原子的な視野で見た場合、荒れた面と平滑な面に区別される。ある包囲の面が、平滑な面から荒れた面に変わることを、ラフニング転移(roughening transition)、逆の場合をファセッティング転移(facetting transition)と呼び、平滑な面をファセットと称する。ファセットは、多少の凸凹はあっても、界面は基本的には一つの原子面にある。実際のシリコンウェハは、主に(100)面と(111)面が使われているが、Jackson理論に基づくαを求めると、(100)面ではα<2に、(111)面ではα>2になるため、〈111〉方向での結晶成長に際しては、平滑な界面が期待される。実際の引上げ方位〈111〉のシリコン単結晶から縦割りサンプルを切り出して、X線トポグラフで観察したり、あるいは、Sbのヘビードープ結晶などの場合は選択エッチング観察によっても、中心部に発生する中心ファセットと極外周部近傍に発生する周辺ファセットが観察される。また、その間は、ある曲率を持った結晶化の等温線が観察される。中心部ファセットは、その半径をrとすると、大まかには以下の式で示される。
r2=2⊿TR/G
ここで、⊿Tはファセットの中心の過冷却度、R は界面の曲率半径、G は界面近傍の結晶側の成長方面の温度勾配である。過冷却度が大きくなると成長速度が高速になることから、高速引き上げ結晶では、ファセットが大きく、低速引き上げ結晶では、ファセットが小さくなることが実際に確認できる。また、周辺ファセットの顕著な例としては、引き上げ方位〈100〉結晶の肩形成段階において、穏やかな角度で直径を拡大してゆくと、回転方向の90°ごとに平滑な面が発生し、外観から確認できる。
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