半導体用語集

ホットエレクトロントランジスタ

英語表記:hot electron transistor

 格子温度よりも熱い電子、すなわちホットエレクトロンを信号媒体として用いたトランジスタ。1960年、C. A. Meadにより提案された金属と絶縁膜の積層構造からなるMIMIM(金属、絶縁膜、金属、絶縁膜、金属)トランジスタが最初。金属部分がそれぞれエミッタ、ベース、コレクタ電極となる。エミッタに対し、ベースに正の電圧をかけると、エミッタとベースに挟まれた絶縁膜が薄い場合、トンネル効果によって、電子がエミッタからベースに注入される。注入された電子は印加された電圧に相当する運動エネルギーをえるため、ホットエレクトロンとなる。ベース領域がホットエレクトロンの平均自由行程よりも薄いと、ホットエレクトロンはベースとコレクタの間の絶縁膜を飛び越え、コレクタにたどり着きコレクタ電流となる。コレクタにたどり着く電子の割合が半数以上になると、エミッタ接地の電流利得がえられる。ホットエレクトロンは高速に移動するため、高速動作可能なトランジスタとされる。しかし、金属中のホットエレクトロンの平均自由行程が短いこと、高品質の薄い絶縁膜を形成するのが困難なことから、その後、半導体と金属を組み合わせた構造や、半導体だけで構成されるホットエレクトロントランジスタが提案された。代表的な提案は、化合物半導体ヘテロ接合を用いたホットエレクトロントランジスタで、MIMIM構造の金属Mの代わりにnタイプのGaAs層を、絶縁膜Iの代わりに、AlGaAs層を用いたトランジスタ。MBE法(分子線結晶成長法)により、化合物半導体ヘテロ接合が原子層厚精度で成長できるようになり、1984年に横山らにより正常動作するホットエレクトロントランジスタが実現されている。

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