半導体用語集

ホットキャリア

英語表記:

結晶に印加する電場が強くなると、電子やホールのキャリアが電場から得るエネルギーの一部しか結晶格子に伝わらなくなり、キャリアの温度が結晶の温度より高い非平衡状態が生じる。このようなキャリアをホットキャリア(ホットエレクトロン、ホットホール)と呼ぶ。微細化されたLSIでは、電圧は縮小率通りには下げられず、電界が強くなってホットキャリアが発生する場合が多くなる。典型的には、左図のようにMOSのソースからドレインへの電流によってホットキャリアが発生し、ゲート電極に飛び込む現象が起こる。この時通過するゲート絶縁膜にダメージを与え、トラップを発生させて、MOSの寿命を短くする効果となる。これ防ぐために、ドレイン端での電界を弱くするLDD構造が採用された。(ナノメータ時代になるとゲート絶縁膜が薄く、直接トンネル電流が流れる領域(≦3nm)になり、この効果は顕著ではなくなった。LDDはむしろ、短チャネル効果を抑制するExtensionとして、浅く、低抵抗に作られるようになった。)


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