半導体用語集

NO窒化

英語表記:Nitric Oxide nitridation

熱窒化の一種で、NO (一酸化窒素) を用いてSi基板の表面またはSi 基板上にあらかじめ形成された酸化膜の一部を窒化する方法。 バッチ処理 (多数枚処理) タイプの拡散炉または枚葉処理タイプのRTP (Rapid Thermal Processing) 装置を用いて、処理温度800~1,100℃、常圧または減圧の処理圧力下で行われている。NOガスは毒性、腐食性が非常に高いので、利用する際には取り扱いには十分注意を要する。Si基板の直接窒化に用いた場合、処理温度が高くなるほど界面に窒素が集まりやすくなり、膜の成長が進行しにくくなる。NH3窒化と異なり、水素が膜中に入らない利点がある。
Si02を窒化した場合にも、窒素はSi基板との界面に集まりやすい。 一般にSi02を窒化すると、 膜中に固定電荷や界面に界面準位密度が増加するが、NOガスを用いると、N20窒化 (「N20窒化」 の項参照) の場合より、界面準位密度の増加や、トランジスタの移動度低下などを起こしにくい。 ゲート絶縁膜が薄膜化し4nm以下になると、ゲート電極中にドーピングした不純物、特にB (ホウ素) がSi基板中に外方拡散するのを阻止するために、窒化酸化膜の使用が検討されているが、NO窒化した窒化酸化膜は特性を劣化させないので、最も有望とみなされている。さらにNO窒化を用いた窒化酸化膜は、ゲート絶縁膜の経時絶縁破壊耐性、ホットキャリア耐性に優れていることも確認されている。


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