半導体用語集

窒化酸化膜

英語表記:nitrided oxide

Si基板の表面を酸化して酸化膜を形成した後に、窒化種を含んだ雰囲気中で加熱して、酸化膜の一部または酸化膜とSi基板との界面を窒化する方法。窒化種としては、NH3 (アンモニア) ( NH3窒化)、N20 (亜酸化空素) (N20窒化)、 NO (一酸化窒素)( NO窒化)が用いられている。NH3 を用いた場合には、窒化は酸化膜中および酸化膜とSi基板との界面で生じる。N20およびNOを用いた場合には,窒化は酸化膜とSi基板との界面で進行する。NH3窒化の場合、NFL が分解して発生した水素が酸化膜ネットワーク中のSi -0結合を切断し、そこに窒素が結合したためと考えられている。窒化酸化膜は、基本的にはその組成に応じ酸化膜と窒化膜との中間的な性質を有し、酸化膜に窒化膜の持つ特質を加味したい場合に、利用することができる。たとえば、酸化膜とくらべて窒化膜中では不純物の拡散係数が小さく(熱窒化)、窒化酸化膜はゲート電極中にドーピングした不純物、特にB (ボロン)がSi基板中に外方拡散するのを阻止する能力に優れている。そのために、 4nm以下の極薄ゲート絶縁膜を必要とする、最先端のデバイスに使用されている。さらに窒化酸化膜は、ゲート絶縁膜の経時絶縁破壊耐性、ホットキャリア耐性に優れていることカ師寉認されている。窒化酸化膜を形成する際、用いる窒化種や処理温度によって、酸化膜中の窒素原子の濃度、深さ方向の分布、さらには結合状態が大きく異なっている。これらの違いとデバイス特性との関連を明確にすることが今後の課題である。


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