半導体用語集

リードフレーム材料

英語表記:material of lead-frame

 リードフレームに使用される金属材料のこと。
 リードフレーム材料は,Fe-Ni合金系とCu合金系に大別される。従来からMOS用として主に使用されているFe-Ni合金系の42アロイは,Niを42wt%含み,熱膨張率がSiと近似していることから,封着材料として使われ始めた経緯がある。42アロイは,組立工程の熱履歴を受けても封止樹脂との密着性劣化が少ないため,パッケージ信頼性の面で有利である。しかし,熱伝導率,電気伝導度がOFC(Oxygen Free Copper;無酸素銅)に比べ,1/30と小さいために熱放散性が悪く,電力消費の多いICへの使用には向いていない。材料開発も本質的な合金組成を変えるより,形状精度,残留歪を極小化する圧延技術,熱処理技術,結晶調整などの品質レベル向上を中心に行われた。
 一方、Cu合金系の材料は,熱放散性の良さと低コスト(42アロイの約1/2)を生かして,パワーICやバイポーラICに使われてきた。また,パッケージの低熱抵抗化のためにCu合金系を使うMOS製品も多い。今まで42アロイからCu合金系への置き換えが積極的に進まなかった原因は,機械的強度が劣ることとアセンブリの熱履歴によりできたCu酸化膜が封止樹脂剝離を引き起こすためである。Cu合金の開発には,種々の添加元素を用いた金属組織学上の強化機構が用いられ,Fe-Ni合金系にくらべて多種多様な材料が開発,導入されてきた。これらのCu合金系材料は,現在パッケージの要求特性に合わせた使い分けがなされている。 '
 近年では,パッケージの小型化,薄型化,多ピン化,狭ピッチ化に伴い,リードフレーム材料も種々の特性を要求されている。特に,板厚は従来主流であった0.15mmから0.125~0.10mmへと薄くなり,その分リード変形に対する板材の耐性が要求されている。各社で高強度合金の開発が進められ,Fe-Ni合金系では引っ張り強度で42アロイの50~80%向上した材料が,Cu合金系でも42アロイ以上の強度を有する材料が製品化されたが,コストの問題で普及していない。


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