半導体用語集

下地膜

英語表記:liner

Alのフローは、一方ではAlの凝集を引き起こす。特に酸化膜上では、高温でアニールすると容易に凝集し、ホール内でカバレッジが悪くAlが薄膜でしか成膜されないところでは、ポール状になる。これを抑制するために、Alを膜として確保する下地膜が必要となる。Alの濡れ性を確保する理想的な膜は、Alの下地膜に対する接触角が0度であり、かつAlとまったく反応しないものである。Alと激しく反応する下地膜は、Al配線内に不純物を取り込むことになるため、抵抗が上昇したり、信頼性に問題が起こったりする。しかし、現状のSiプロセスにおいては、汚染源にならず、かつ前述のAl濡れを確保する性質を完全に有する材料はみつかっていない。下地膜として試みられてきた膜は、TiSixやMoSixなどのシリサイド膜や、ポリシリコンなどがある。これらは、Al中のSiの拡散が速いため、リフロー中にAlと反応して、Alの濡れをよくする。しかし、余剰SiがノジュールとしてAl中に析出する欠点があり、配線や、コンタクト/ビアの信頼性を劣化させる。最近多く使われている下地膜はTi、TiNまたはこれらの積層膜であり、二ステップスパッタなどの埋め込み方法と組み合わせて、アスペクト比3程度の埋め込みが可能である。しかし、TiはAlと比較的反応しやすく、高抵抗のA13Tiを形成するため、配線やビアの抵抗上昇が起こりやすい。Alとの反応がTi系よりも穏やかで、かつAlの濡れを確保するものとしてNbも試みられている。


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