半導体用語集
二重ドレイン構造
英語表記:Double Diffused Drain (DDD) structure
ドレイン近傍の電界を緩和するためにはドレイン領域を低濃度領域と高濃度領域の2種類の不純物領域から形成することが効果的である。このような 2種類の不純物領域を持つドレインを二重イオン注入によって形成したものを二重ドレイン構造と呼んでいる。図1に示すように、二重ドレイン構造は比較的浅い高濃度領域とそれを取り巻くように形成された低濃度領域からなっている。低濃度領域がドレイン近傍の電界を緩和するのに有効に働く。チャネル方向の低濃度領域の幅が広いほど(低濃度領域の拡散深さが深いほど)、また低濃度領域の不純物濃度が低いほど電界緩和効果が大きい。しかし、チャネル方向の低濃度不純物領域の幅を広くしすぎると実効チャネル長が短くなって短チャネル効果が起こりやすくなる。また、低濃度領域の幅が狭すぎたり、不純物濃度が低すぎたりすると、チャネル方向電界が最大となる位置が低濃度領域から高濃度領域に移行して電界は逆に増加する。したがって、二重ドレイン構造を形成するためには低濃度領域の幅と不純物濃度に関する最適設計が必要となる。二重ドレイン構造は、ホットキャリア効果によるnチャネルMOSトランジスダの特性劣化を防ぐために、2µm技術を用いた256 kbit DRAMで実際に採用されている。2µm技術におけるnチャネルMOSトランジスタの二重ドレイン構造は、ゲート電極形成後にリンイオンを注入することによって深い低濃度不純物領域(n⁻領域)を形成し、その後ヒ素イオン注入により浅い高濃度不純物領域(n⁺領域)を形成することによって作製している。通常は、電界緩和に効果のある低濃度領域(n⁻領域)の幅を広げるために、 リンイオン注入後に高温の熱処理を行う。
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