半導体用語集

偏向整定時間

英語表記:deflection settling time

偏向器では、ある位置への偏向命令に対して実際に位置が整定するまでにタイムラグが存在する。そのため、各偏向動作ごとに侍ち時間を入れてビームを照射するタイミングを遅らせている。この偏向動作ごとに必要な描画制御上の待ち時間を偏向整定時間という。
この整定時間を短縮するためには、1回の整定時間の短縮と、偏向回数の低減とを図ることが必要である。偏向整定時間は、偏向位置に応した補正計算に要する時間と、偏向回路の応答侍ち時間の和である。前者は、主に偏向領域歪の補正計算時間であり、専用ハードウェアやDSPを採用するなどして高速化が図られている。後者は狭い意味での偏向整定時間である。偏向回路はD/Aコンバータとアンプで構成されていて、目標値であるデジタル信号入力に対して、アナログ信号出力が許容範囲内に整定するまでには、ある時間を要する。偏向回数については、対物偏向系が多段構成、たとえは主・副2段構成の場合には、副偏向領域を拡張することによって主偏向の偏向回数を低減することができる。主偏向回数は、副偏向領域サイズの2乗分の1 に依存するので、領域拡張の効果は大きい。ただし、最小グリッドを保ったままで偏向領域を拡張するには、偏向回路のビット数を増やす必要がある。
これらの要請から、高速・多ビット偏向回路の開発が行われている。


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