半導体用語集

切断機

英語表記:スライシングマシン

シリコン結晶は単結晶インゴットに育成された後、1枚1枚のウェハに切断する切断機(スライサと呼ばれることが多い)にセットしやすいように、バンドソーなどを用いて肩口と尾部の円錐状の部分を切り落とし、さらに長さ数10cm程度の適当な寸法まで切り分ける。OF加工はこの切り分けの前あるいは後に行われる。こうして切り分けられたブロックをスライシング装置にセットして1枚1枚のウェハに切断する。ウェハへの切断ではウェハの直径にもよるが、おおむね1mm程度の厚さに切り出す。スライシング装置はシリコンを円柱状の単結晶のインゴットから円盤状のウェハに加工する最初の工程で用いる装置である。シリコンウェハの切断の場合、切断機には今日では多くの場合、枚葉切断方式である内周刃ソーか、一括切断方式であるマルチワイヤソーを用いる。内周刃ソーは主に直径200mm以下、ワイヤーソーは主に直径200mm以上のウェハの切断に用いられていることが多い。大学や研究室レベルで小さな無機材料試科を精密切断する場合には外周刃ソー7が一般的に用いられており、シリコンでもごく小口径の時代に外周刃ソーが用いられていた。しかしウェハが大口径化し、要求加工精度の向上により切断にもきわめて高度の制御が要求されるにつれて、刃を取りつける際の張り上げ作業によって制度を確保しやすい内周刃ソーが広く用いられるようになった。しかしながら、内周刃ソーではその刃を作製する極薄銅板に、切断しようとするワーク(シリコン結晶)の直径の少なくとも3.5倍以上の幅を持つ素材が必要である。この現在最先端である直径300mm結晶の切断に用いることができる内周刃を作製することが困難になった。また、内周刃方式であっても、ワークの大きさが大きくなるにつてれて、1枚当たりの切断時間が長くかかり生産性が低下することは避けられない。加えて切断精度を維持することがますます困難になることなどの事情から、直径300mm以上のウェハ切断では内周刃方式に替わるスライシング方式として、ワイヤソー方式が用いられるようになった。その後、直径200mm以下のウェハ切断であっても精度、生産性の両面の兼ね合いから内周刃に勝る効率がえられるような場合では、マルチワイヤソー方式が用いられるようになってきている。


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