半導体用語集

化学的洗浄

英語表記:chemical cleaning method

化学的洗浄、とりわけ種々の薬液を用いて行う湿式(ウェット)洗浄は、ウェハ表面に付着しているパーティクル、有機物、金属不純物を精密に除去するために用いられている。作製する半導体素子の歩留りを低下させる要因の半分以上は、これらの不純物に起因していることから、この化学的洗浄に与えられている使命は非常に重要である。理想的な洗浄は、不純物のみを化学的に溶解、分解除去し、シリコン表面には何らのダメージも及ぼさないことである。現在主として用いられているウェッ ト洗浄法、30年ほど前に開発されたRCA洗浄法と呼ばれる。酸やアルカリ溶液と酸化剤を混合した溶液を用い、 これらを組み合わせた洗浄法を基本としており、わずかにシリコン表面を酸化、あるいはエッチングをする必要があるものの、ほぼ理想的な洗浄効果が達成できる方法であることから、30年もの間用いられてきた。しかし素子の微細化に伴い、問題となるウェハ表面の不純物濃度が少なくなり、またウェハ表面のマイクロラフネスの生成や自然酸化膜の成長の抑制、 およびその除去など、表面の微視的な物理化学的構造も保障しなければならなくなっている。さらにCMP (Chemical Mechanical Polishing) や銅配線などの新プロセス技術や新材料との整合性、またコストダウン、環境問題などの見地から、薬液や純水の使用量の削減という要求にも応えていかなければならない。このような背景から、さらに精密、簡単、複雑な廃液処理が必要なく、かつ少量の薬液使用量で可能な洗浄溶液および方法の開発が急務となっている。このためにはウェハの表面状態と洗浄溶液、さらにそれらの形成する固液界面で生じる現象を理解したうえで、洗浄工程の最後に行われるウェハの乾燥まで含めて開発していかなければならない。もちろん、そのためには薬液を用いたウェット方式のみに拘泥することなく、他の機械的な効果を組み合わせたり、ウェハの表面状態とその後の工程をかんがみて、成膜やエッチング工程など他の工程との整合性の良いドライ洗浄を要所で用いるなどの必要がある。


関連製品

「化学的洗浄」に関連する製品が存在しません。

関連用語

関連特集

「化学的洗浄」に関連する特集が存在しません。




会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。