半導体用語集

垂直性

英語表記:vertical

 この形状は、塩素・Si系やフロロカーボン・SiO₂系でイオン照射の存在下でえられる。両方とも原子やラジカルが付着した表面では反応は一切進まないが、イオンが照射される上述のケミカルスパッタリング反応、すなわち、塩素・Si系では、イオンが衝撃するとカスケード衝突による吸着Cl₂とSiのミキシングが起こり、薄いSiCl層が形成され、SiCl₄、Si₂Cl₆の他SiCI、SiCI₂として脱離する。またフロロカーボン・SiO₂系でも、吸着CFx (x=1~3) にイオンが衝撃すると、ミキシング作用により1~2nmのSiCxFyOz層が形成され、F/Si系やCI/Si系と同様に、カスケード衝突による切断/修復で表面と「弱く結合」したSiF₄、SiF₂、CO、CO₂、COF₂などがイオン衝撃により脱離する。この反応をイオン誘起反応と呼ぶ。
「等方性形状」で述べたn⁺多結晶 SiやAlのエッチング形状を垂直性にするには、エッチング中に生じる重合膜やレジスト分解物をイオン衝撃で再スパッタして側壁に積み上げ、保護膜を生成する。したがって、これを側壁保護膜反応と呼ぶ。常温では等方性系形状でも低温にすると垂直形状がえられる場合がある。フッ素・Siの場合は約ー130℃以下で、塩素・Siの場合は約ー40℃程度でそれぞれ垂直形状になる。前者の場合、約ー130℃以下では、イオン照射のない側壁は反応生成物のSiF₃やSi₂F₆の揮発が抑制され、側壁へのF原子の攻撃をこの凝縮層が保護したためと考えられる。同様に、Cl/Si系でも低温ではSiClxの凝縮層が生成されていると想定される。またHBrなどの臭素系ではSiBrxの揮発性が低いので、常温でも側壁に残り、これが保護膜となる。

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