半導体用語集

塗布シリコン酸化膜

英語表記:SOG : Spin 0n Glass

有機溶媒中に溶かされた絶縁膜材料をウェハ上に回転塗布し,塗布後の熱処理工程により薄膜を形成する方法を塗布法(SOD : Spin On Deposition) と呼び、塗布法で形成された薄膜を塗布膜と呼ぶ。一般的な熱処理工程は、乾燥、べークと呼ばれる溶媒を揮発させる熱処理と、キュアと呼ばれる熱硬化を行うための熱処理からなる。塗布膜は表面張力によりウェハの凸部には薄く、凹部には厚く形成されるため、絶縁膜表面の平坦化が可能となる。また、塗布法で形成されたシリコン酸化膜を、塗布シリコン酸化膜(SOG:Spin On Glass)と呼ぶ。SOGは無機 SOG (inorganic SOG)と有機SOG (organic SOG)に大別される。有機 SOGおよび無機SOGの一部(HSQ、ポーラスシリカ) は、低誘電率膜層間絶縁膜として検討されている。
ここでは、一般的な無機SOGについて、分類と特性を示す。 主な無機 SOGと しては、シリケート系 (silicate type)、アルコキシシリケート系 (alkoxy silicate type)、およびポリシラザン系 (pclysilazane type) があげられる。 基本構造を図1に示す。前二者は、400℃程度での熱処理を行うことで、脱水縮合により酸化膜を形成する。 後者の場合は、熱処理を水蒸気を含む酸素中で行い、加水反応により酸化膜を形成する。 silicate typeおよびalkoxy silicate typeは、キュア時に体積が20%近く収縮する。このため、クラックが発生しやすく、 厚膜化が難しい。また、吸湿性が高く、含有水分により比誘電率が、5以上の高い値を示す場合がある。polysilazane typeは、顕著な体積収縮はなく、クラックは発生しにくい。 吸湿性も低いが、水蒸気を含む酸素を用いるため、Al配線を参加させないための付加プロセスが必要となる。SOGは、膜質的には課題を持つ。しかし、簡便な設備での成膜が可能であり、経済性が高いといった利点を持つため、CVD酸化膜の平坦化を補うための補助膜として広く用いられている。


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