半導体用語集

有機SOG

英語表記:Spin On organic Glass

ポリメチルシロキサンを代表とする、膜中にSi-C結合(一般にはSi-CH3結合)を持つ塗布シリコン酸化膜(SOG: Spin On Glass)。当初、有機SOGは無機SOGの持つ課題である耐クラック性の弱さおよび耐湿性の弱さを改善するために開発されていた が、現在ではその低誘電率性に着目されており、低誘電率材料と位置づけられる。膜中のSi-C結合比率の増加に従い、誘電率が低下する。比誘電率は3.0から3.2程度が報告されている。
代表的な構造を図1に示す。成膜は回転塗布後、乾燥、べークおよびキュアと呼ばれる400数10℃程度までの窒素中熱処理による脱水縮合反応により行われる。Si-CH3結合が疎水性であるため吸湿性は低く、また耐クラック性および耐熱性も高い。課題は、レジスト除去などに用いられる酸素アッシングに弱い点である。通常、有機SOGは、プラズマ酸化膜で挟まれて用いられるが、ビアホール開口後は、その側壁に有機SOG表面が露出され る。ビアホールエッチング後、フォトリソグラフィに用いられたレジストを酸素プラズマにより除去する工程(レジストアッシング、レジスト灰化)があるが、この時、ビアホール側壁部に露出したSOGが酸素プラズマに曝されてしまう。この時、プラズマ中の酸素ラジカルにより、SOG表面近傍のSi-C結合が酸化されてしまう。酸化されたSOGは、ポーラスな膜構造となり、吸湿性が非常に高くなる。このため、ポイゾンドピアなどのビアホール故障を引き起こす。対策として、ビアホール開口後、低圧で酸素RIEを行う方法などが提案されている。酸素イオンにより露出しているSOG表面を酸化、稠密化し、改質する方法である。


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