半導体用語集

エッチング特性

英語表記:etching characteristics

シリコン酸化膜系の低誘電率層間絶縁膜のエッチングには、通常のシリコン酸化膜のエッチングと同様にパーフルオロカーボン(PFC)系のガスが用いられる。基本的には通常のシリコン酸化膜のエッチングと同様であるが、いくつかの課題がある。有機 SOGでは、ビアホールエッチング時のオーバエッチによりビアホールがボーイング形状となりやすい。ポーイング形状とは、ビアホールが垂直な側面を持たズ、凹面形状の側面になることを意味する。また、HSQは、膜よりの水素放出によりエッチング速度などのエッチング特性が影響を受ける。また、エッチング後のレジスト除去・洗浄工程への耐性も課題となる。有機SOGなどはレジストアッシング用の酸素プラズマ処理に耐性を持たないと同時に、レジストやエッチング反応生成物を除去するための有機剥離液処理に対する耐性も低い。有機剥離液としては、一般にアミン系の剥離液が用いられるが、Si-C結合が破壊されるなどの現象が発生する。エッチング工程とその後のレジスト除去・洗浄工程において、最適化と対策プロセスの設定が必要となる。
有機高分子膜のエッチングには、酸素プラズマが用いられる。一般にシリコン酸化膜をキャップ層として有機高分子膜上に形成し、いったんビアホールバターンを形成した後、シリコン酸化膜キャップ層を、マスクとして酸素を用いたRIEなどでエッチングを行う。エッチング条件が最適でない場合は、酸素ラジカルなどによる等方性エッチングの影響でボーイング形状が出やすい。有機高分子膜の加工では、このボーイング形状の制御が課題となり、その制御のためエッチングガスである酸素に水素やアルコールの添加が試みられている。また、有機高分子膜の層間絶縁膜への適用は、PFC削減対策としても期待され、 検討されている。現在、主に層間絶縁膜として用いられているシリコン酸化膜のエッチングにはPFC系のガスが主に用いられているが、PFCはC02にくらべて地球温暖化に与える影響が大きく、その使用量削減が必要とされている。 有機高分子膜は、PFCに換え酸素などを用いることでエッチングが可能であることから、LSIの高性能化だけではなく、環境間題からも、その実用化が期待されている。


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