半導体用語集
振動励起
英語表記:vibrational excitation
分子内の核振動などの振動を量子化 した時のエネルギー固有値を振動準位という。分子には無数の励起準位を有しており、基底準位もしくは他の準位 の分子に外部からエネルギーが与えられることにより、高い振動準位に遷移することを励起という。特に、ーつのポテンシャル曲線のうちで、ある振動準位から他の高いエネルギーの振動準 位へ励起されることを振動励起と呼ぶ。プラズマ中では、電子が分子に非弾性衝突することによる振動励起が一般に生じる。その過程には、非共鳴励起と共鳴励起という二つの過程がある。非共鳴励起は、一般的な励起過程 である。振動励起断面積は電子衝突エネルギーの増加に伴い、ある極大値を持った後次第に減少するというように、連続的に変化する。禁制遷移の振動準位間の励起断面積はきわめて小さい。共鳴励起は、電子衝突エネルギーの特定のところで共鳴的に励起されるもので、エネルギーに対して共鳴的な断面積がピークをとる。また、禁制遷移に対しても大きな振動励起が生じる。一般に振動励起エネルギーは、0.5eV以下程度であり,電子励起にくらべて小さい。振動励起過程は、プラズマプロセスの他、振動準位間の光学遷移を利用した赤外線レーザの開発において関心が持たれている。振動準位間の光学的遷移を利用した光吸収分光法により、プラズマ中のラジカルや分子の密度計測が行われている。
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