半導体用語集

新規参入

英語表記:new entrant

 半導体事業への新規参入に関して、1990年代の東南アジアにおける新規参入ラッシュが記憶に新しい。これらの背景として、台湾に代表される東南アジア諸国において、ハイテク高成長神話を信奉するものが大勢を占め、ハイテク産業への旺盛な投資意欲があったことがあげられる。しかし、この点と同等またそれ以上に、半導体の製造装置産業の確立が、生産面の参入障壁を低下させたことも重要な要素となっていたと考えられる。つまり、半導体製造装置産業が一産業として確立することにより、設備投資資金さえ用意することができれば、完成度の高い製造装置を購入し、プロセス技術に関して装置メーカーからのサポートを受けながら、事業を立ち上げることが可能な状況が創出されたことが、新規参入を容易にしたといえよう。これらの事実は、製造の付加価値が半導体メーカーから製造装置メーカーヘと移転しつつある証左と取られよう。
 このように1990年代半ば頃までは、台湾のみならず、タイ、マレーシア、ブルネイなどから相ついで新規参入の意向が表明された。しかし、その後の半導体不況の長期化により、新規参入の動きは一巡した感がある。

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