半導体用語集
流動性CVD
英語表記:self-flow CVD
埋め込み性などの段差被覆性改善を目的として、基板上に、流動性を持つ反応中間体を堆積させることを特徴とするシリコン酸化膜CVD。塗布法で形成された酸化膜と同様な、液体が流動したような段差被覆形状を示す。自己平坦化CVDとも呼ばれる。反応中間体を用いるため、比較的低温での成膜となる。また、成膜後に熱処理などにより、反応中間体を完全な酸化膜へと改質する心要がある。高03濃度でのTEOS-O3CVDは400℃近い温度での成膜であるが、流動性CVDとみなせる。成膜中に反応中間体の堆積と酸化によるシリコン酸化膜への転換が同時に起きていると考えられる。流動性CVDとしては、以下に示すようないくつかの成膜方法が他に提案されている。
(1)Si (CH3) 4と02のプラズマ反応(基板温度は-20~-40℃)
(2)TEOSとH20のプラズマ反応 (基板温度は60~120℃)
(3)SiH4と02のプラズマ反応 (基板温度は-80℃以下)
(4)SiH4とH202の減圧下熱反応 (基板温度は0℃付近)
いずれの場合も、狭いギャップに埋め込まれた反応中間体をいかにして完全な酸化膜に近づけるかが課題となる。酸化膜への変換を行うための熱処理などで、膜収縮により引っ張り応力の強い膜となるため、クラックが発生しやすい膜となる。このため、通常のプラズマ酸化膜で挟み込むなどの対策が必要となる。良好な埋め込み性および平坦性の例として、SiH4とH202の減圧下熱反応を用いて形成したシリコン酸化膜の段差被覆性を写真1に示す。
関連製品
「流動性CVD」に関連する製品が存在しません。キーワード検索
フリーワードやカテゴリーを指定して検索できます
関連用語
関連特集
「流動性CVD」に関連する特集が存在しません。
会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。