半導体用語集

現像前べーク

英語表記:Post Exposure Bake

ポストエクスポージャベーク (Post Exposure Bake: PEB) と同義語。露光を行った後、加熱処理を行うことでレジスト中の光分解した感光剤、光酸発生剤の拡散を促し、定在波を低減する。また、化学増幅型レジストでは、保護基脱離による極性変換反応(主にポジ型レジスト)、架橋反応 (主にネガ型レジスト)の連鎖反応促進のために行う。ジアゾナフトキノン感光剤を用いたレジスト(主にg線、i線レジスト)の場合、単一波長で露光を行うと干渉効果により現像速度のレジスト膜厚依存性が大きく、その結果、定在波の発生やレジスト膜の抜け性の低下が生しる。現像前べークを行った場合、レジスト膜中の光分解した感光剤が拡散するので、定在波効果が低減され、この定在波効果の低減により現像速度のレジスト膜厚依存性が小さくなり、レジスト膜の抜け性も向上する。その結果、レジストのコントラストの向上およびレジスト寸法変動のレジスト膜厚依存性が小さくなるというメリットがえられる。一方、化学増幅レジストでは、ジアゾナフトキノンレジストと同様の酸発生剤の拡散に加え、極性変換反応もしくは架橋反応の連鎖反応促進の熱エネルギー供給も現像前べークで行っている。その結果、化学増幅レジストでは露光量と現像前べークでのエネルギー量の両方が線幅制御に影響を与えることになる。レジストによっても異なるが、線幅変化の現像前べーク温度依存性は10nm/℃前後生じる。それゆえ、化学増幅レジストにおいては、現像前べークでの温度バラッキの制御が非常に重要となる。


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