半導体用語集

真空計

英語表記:vacuum gauge

真空を計測するのは大変難しい。一口に真空といっても常に同し物性を持っ対象ではないからである。特に最近種々の真空下でのプロセスが増え、困難さはさらに増している。様々なガスが用いられており、真空計測の信頼性が問題視されることさえある。しかしこれは真空計測器の問題というよりは対象物そのものが不明確であったり、対象物の物性をよく理解していないためのものが多い。
真空全域にわたって一つの方法で計測できるのが望ましいが、現実には不可能である。測定できる領域を大まかに分けると、ガスの粘性や圧力などマクロな量を計測する(粘性流)領域と分子の数を計測する(分子流)領域のニつになる。表1に主な計測法と圧力領域を示す。この中で幅広く用いられているのは、隔膜真空計、ビラニ真空計、三極管型電離真空計、B-A型電離真空計である。ピラニ真空計は低真空の装置あるいは粗引きラインの真空計測に用いられ、隔膜真空計はガスを導入して成膜や工ッチングするプロセス装置の真空計測に用いられている。電離真空計は高真空、極高真空の計測に用いられ、スパッタ装置の背圧測定などにも使用されている。
ガスを導入しない場合でも、真空装置内にある気体の組成は常に一定ではない。大気圧から100 Pa付近までは大気成分が主であるが、それより圧力が低くなると壁面に吸着した水分が脱離し、10ー6Pa付近まで水分子が主成分を占める。それよりも低い圧力になると、 材料中に吸蔵された水素が脱離し水素が雰囲気の主成分になる。圧力そのものを測定する隔膜真空計などを除いて、真空室内に存在する気体の組成にその計測値が大きく影響を受ける。いわゆる、ガスに依存した比感度係数を持つ。したがって、より精度の高い圧力値をえるためには、比感度係数により計測値を校正する必要がある。


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