半導体用語集

研磨傷

英語表記:scratch

CMPプロセスのデバイス適用が進む一方で、CMP後のウェハ表面には、スクラッチ、パーティクル、金属汚染などの多くの欠陥や汚染が観察されており、実際に、これらの欠陥がデバイス歩留りを低下させるという間題も発生してきている。特にスクラッチは、他のプロセスにはないCMP固有の欠陥であり、その対策は必須課題である。また、これらの問題の早期解決および要求に応えるためには、CMP後のウェハから、精度よく、正確に、そして速く欠陥情報を引き出すことが必要である。
CMPプロセスでみられるスクラッチは、スラリー、研磨パッド、装置パラメータ、被研磨膜などの組み合わせにより発生し、点状、連鎖状、線状などの形態を取る。特にスラリー起因のスクラッチに関しては、スラリー供給系内での凝集が引き金になっている場合が多く、適切なフィルタを供給系内に設置する必要もある。また、スラリー中の砥粒の物性値の選択も重要である。スクラッチは、その後の配線形成時にスクラッチ部分にメタルが残り、オープン/ショート歩留り低下の一因となる。スクラッチによるショート歩留り低下モデルの一例を図1に示す。スクラッチの発生したウェハ表面に絶縁膜を成膜し、埋め込み金属配線を形成する。この時、下層のスクラッチの凹部分が絶縁膜成膜後のウェハ表面にまで反映されるため、その後の配線溝加工時に配線パターン以外に凹部が存在することになり、配線ショートを引き起こす。プロセス対策としては、メタルCMPの後、touch upという仕上げのCMPを実施し、絶縁膜上のスクラッチを低減させる場合もある。スクラッチの検出方法に関しては、「欠陥検査」の項参照。


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