半導体用語集

ポリッシング

英語表記:polishing

シリコンウェハは要求仕様に応じて表面のみを鏡面研磨する片面鏡面ウェハと、表面・裏面の両面を鏡面研磨する両面鏡面ウェハがある。片面鏡面ウェハを作製する場合は片面研磨装置を用いるが、両面鏡面ウェハを作製する場合は、片面研磨装置で表面、裏面をそれぞれ研磨する方式と、ラップ装置と同様の構造の両面研磨装置で両面を同時に研磨する方式がある。研磨装置の区分としては、この片面研磨、両面研磨の区別の他に、ウェハを1回の加工で1枚ずつ加工する枚葉研磨装置と、複数のウェハを1度に加工するバッチ式研磨装置の区分がある。ポリッシングはシリコン研磨ウェハ製造工程の実質的な最終工程で、結晶特性以外の重要な品質特性はほとんどこの工程で決まってしまう。この工程では、ウェハ表面を鏡面研磨することで、 ウェハを平坦・平滑にするのみな らず、研磨加工に伴い加工歪層が生じないように加工する必要がある。この場合の鏡面研磨はいわゆるバフ研磨であるが、研磨と同時に加工歪層を除去するために、物理的な研磨と同時に化学的なエッチングを進行させる化学的機械研磨方式(Chemical Mechanical Polishing method)、いわゆるCMP方式を用いる。鏡面研磨は前述のような要求があることから、通常は2ないし3段階の研磨を行い、形状制御面では平坦度面粗さ(ラフネス)、研磨メカニズム的には物理研磨→化学研磨というように段階的に制御対象、加工方式の主要要素を移してゆく。最終的にはウェハ全面の厚さばらつきで数m以下にまで平坦化し、面粗さは原子間力顕微鏡(AFM)で測定した場合のRa値で1nm未満にまで平滑化する。平坦度はLSI製造工程でパターンを焼きつける装置の方式が従来はウェハ全面の一括露光方式が主流であったのに対し、今日の先端LSI製品ではウェハ上を市松状に区分した小領域を繰り返し露光してゆく方式に移行しているために、平坦度としてはこの20~30mm角程度の小領域の中の厚さばらつきをなくすことに重点が移行している。この小領域に求められる厚さばらつきの許容範囲は、そこに焼きつける回路の線幅と同程度以下であり、最先端のものでは0.2km以下にする。この平坦度は将来的にさらに厳しくなり、西暦 2005年ころには0.1μm以下にする 必要があると予想されている。このよ うな超平坦な面を機械加工のみによって実用的な生産性を維持して作製することは相当困難であることが予想されることから、PACE (Plasma Assisted Chemical Etching) 加工などの新たな加工方式の応用も検討されている。



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