半導体用語集
硫酸過酸化水素水混合溶液
英語表記:sulfuric acid/ hydrogen peroxide mixture
硫酸過酸化水素水混合溶液は、その名のように硫酸と過酸化水素水の混合溶液で、主としてシリコンウェハ上の有機汚染物をCO2やH2O
に分解、除去する目的で用いられる。この混合溶液のことをカロ酸、またはこの混合溶液を用いる洗浄をピラニア洗浄と称することがある。この洗浄溶液の典型的な使用条件は、まず、組成比は体積比で硫酸(~98wt%)が4に対し、過酸化水素水(30wt%)を1混合する。処理温度は80~120℃、処理時間10分である。この洗浄溶液の有機物除去能力は高いので、基本的なRCA洗浄(SC1→SC2)を行う前に脱脂洗浄として用いられる場合がある。また、エッチングやイオン注入工程後のレジストを剥離、除去するためにこの洗浄処理を行う場合がある。この洗浄溶液は、やはり強酸である過酸化水素水を含むので、SC2の場合と同様な機構でシリコンウェハ上の金属不純物も除去する能力を持つ。しかしながら、粘性の高い硫酸をべースとしているために、特にウェハ表面に徴細な孔や溝などの構造が形成されている場合には、この洗浄処理後の純水リンス処理で硫酸イオンを完全に除去することが難しいこと、またこの洗浄溶液の薬液の使用量が比較的多いために、コストダウンや環境問題などの観点から、近年使用が敬遠されつつある。
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