半導体用語集
窒化ガリウム
英語表記:Gallium nitride
結晶構造:主にウルツ鉱構造を取る。格子定数:a=0.31891nm,c=0.51855nm(閃亜鉛鉱構造では0.450nm)。バンド構造:直接遷移型。エネルギーギャップ:3.503eV(1K),3.44eV(RT)。価電子帯はスピン軌道分裂と結晶場分裂により三つのバンド(Γ9,Γ7¹,Γ7²)に分裂しており,低温ではそれぞれに対応するA(3.4776eV),B(3.4827eV),C(3.502eV)励起子ピークが観測される。スピン軌道分裂エネルギー:⊿=0.0197eV。有効質量:伝導帯mc*/m₀=0.18(平均),0.18(⊥c軸),0.20(//c軸),重正孔帯mhh*/m₀=1.65(⊥c軸),1.10(//c軸),軽正孔帯mlh*/m₀=0.15(⊥c軸),1.10(//c軸),結晶場分裂帯mcfs*/m₀=1.10(⊥c軸),0.15(//c軸)。前述の価電子バンド端はエネルギー的に近いので,バンド端平均正孔質量として,mv*/m₀=0.8が見積もられている。比誘電率:ε(O)=10.4(//c軸),9.5(⊥c軸),ε∞=5.35。励起子束縛エネルギー:28meV。励起子分子エネルギー:5.7meV。励起子-フォノン結合因子:208meV。フォノンエネルギー:LO=92.3(95.4,99.2)meV,TO=66(69)meV(ウルツ鉱構造),LO=91.9 meV,TO=68.8meV(閃亜鉛鉱構造)。変形ポテンシャル:a=-6.9eV(ウルツ鉱構造),-6.4eV(閃亜鉛鉱構造)。弾性定数
(×10¹¹dyne/cm²):c₁₁=39.1,c₁₂=14.3,c₄₄=10.3(ウルツ鉱構造),c₁₁=29.6,c₁₂=15.4,c₄₄=20.6(閃亜鉛鉱構造)。熱伝導率:1.3W/cm・K。熱膨張係数(×10⁻⁶/K):5.59(⊥c軸),3.17(//c軸)(300K)。融点:>1,700℃。
GaNはサファイア基板上に成長することにより,高品質のウルツ鉱構造薄膜が作製可能である。また, GaAs(001)基板上に成長することによって,閃亜鉛鉱構造のGaNも作製されている。後者の場合,半導体レーザに応用する場合に劈開しやすい利点がある。アンドープのGaNは初期には~10¹⁹cm⁻³のn型であったが,サファイア基板上での成長初期に薄い低温バッファ層を挿入することにより,~10¹⁶cm⁻³程度まで減少した。これに伴い,Mgのドーピングにより,p型伝導が可能となり,発光素子実現へのブレークスルーとなった。InNとの混晶InGaN量子井戸層を発光層,AlNとの混晶AIGaNをバリア層とする青色LED,緑色LEDが現在量産されている。発光層のIn組成を増すことにより発光波長を長くでき,黄色のLEDも研究されている。また同じ材料系を用いた波長400nm帯の半導体レーザも寿命1万時間を超え,量産が開始されようとしている。一方,シリコンにくらべワイドギャップ半導体では,高温での真性キャリアの生成によるダイオード暗電流の増加を防ぐことができる。この持徴を用いて,現在GaN系ならびにSiC系半導体を用いて高温動作FETの試作研究が進められている。
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