半導体用語集

解離過程

英語表記:dissociative process

分子の分解を解離過程と呼ぶ。たとえば、窒素分子は二つの窒素原子に解離する。アルゴンガスのような希ガスでは、解離は起こらない。解離には、熱解離、電子衝突解離、光解離などの直接的解離過程がある。その他、解離電離、解離再結合、解離性光脱離などの過程がある。通常の直接的な解離過程においては、安定な分子から化学的に活性なラジカルが発生する。プラズマプロセスにおいては、電子衝突解離が一般的である。解離過程は、解離のしきい値以上のエネルギー(解離エネルギー)を分子に与えた時に生じる。 ここで、熱解離の場合は、分子のポテンシャル曲線において、温度の上昇とともに、基底状態の分子の技の振動の振幅が無限大に近くなり分子は解離する。この時の解離エネルギーは、桟間距離を無限大にした時の基底曲線のポテンシャルエネルギーによって決定される。一方、電子街突や光解離の場合には、基底状態の分子に電子あるいは光子が衝突してポテンシャルエネルギーの励起曲線あるいは解離曲線への遷移が核の振動運動にくらべて非常に短い時間内に起こる。したがって、遷移の前後で核の位置や速度は変化しない (フランクーコンドルの原理)ので、衝突が生した時の分子の核間距離においてポテンシャルエネルギーの励起曲線あるいは解離曲線に励起されることによって分子は解離に導かれる。この時の解離エネルギーは、衝突が生した時の核間距離における解離ポテンシャルによって決定される。したがって、分子の熱解離の解離エネルギーと電子衝突や光解離の解離エネルギーとは異なる。ここに,主な分子の熱解離エネルギー(Et)と電子衝突解離エネルギー(Ee )を示すと、H2(Et: 4.5eV、Ee: 8.8 eV)、02(Et:5.1 eV、Ee : 7 eV)、N2(Et : 9.8 eV、Ee : 24.3 eV)、 C12( Et: 2.5eV、Ee : 3.7eV)となる。解離電離は、安定な分子(AB)に電子が衝突することにより、ラジカル (A)のみならずイオン(B+)が同時に生成される過程である。解離再結合は、分子イオン(AB+)に電子が捕獲されて過度的に非常に不安定な励起状態の中性分子(AB*)を形成した後、その励起分子が電子を放出して、再び元のイオン状態にもどる前に解離を行って、中性原子(A+B)に分解する過程である。解離付着は、電子が分子(AB)に付着する時に、分子が電子の持つ運動エネルギーを吸収して、分子が解離を起こし,負イオン (A-)と原子(B)が生成して安定化する過程である。この過程は、負イオンを作る反応として一番大きな反応係数 (10-11~10-12cm3/s) を有する。
解離付着は、分子の大きさが大きくなるとともに複雑になる。


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