半導体用語集

識別回路

英語表記:decision circuit

 データ伝送中に波形劣化したデジタル信号を、回路に印加されるクロック信号のタイミングで識別し、パルス間で異なってしまったパルス幅をクロック信号のパルス幅に揃えて(リタイミングして)出力する回路。この識別回路が有する機能は一般に識別再生(regeneration)と呼ばれ、光通信システムの再生中継器などには不可欠なものとなっている。識別回路の構成としては、入力データ信号を増幅する入力バッファアンプ、リタイミングを行うD型フリップフロップ(Delayed Flip-Flop : D-FF)、およびD-FFの出力を所望の論理振幅まで増幅する出力バッファアンプからなるのが一般的である。回路機能の中心であるD-FFでは、デジタルデータ信号をクロック信号の立ち上がり(もしくは立ち下がり)のタイミングで読み込み、次のクロック信号の立ち上がり(もしくは立ち下がり)まで保持、出力し続ける。
 識別回路の性能指標としては、位相余裕(phase margin)、入力感度(input sensitivity)がある。位相余裕は、入力データ信号の論理振幅一定の条件で入力データ信号とクロック信号の相対位相差を変化させた時、誤動作しない位相範囲のことである。入力データ信号とクロック信号がすべての相対位相差で誤動作しない時には、その位相余裕は360度となる。入力感度は、入力データ信号とクロック信号の位相差一定の条件で入力データ信号の論理振幅を変化させた時に、誤動作しない最小の論理振幅である。
 これまでに報告されている識別回路の最高動作速度は46 Gbit/sであり、InP HEMT¹⁾により作製された。この回路では、40 Gbit/sで位相余裕246度、入力感度104mVである。また、40 Gbit/s動作は他に、GaAs HBT²⁾、GaAs MESFET³⁾でも達成されている。

参考文献
1) M. Yoneyama et al : IEEE Trans. Microwave Theory Tech., vol. 45, No. 12, pp. 2274~2282 (1997)
2) Y. Kuriyama et al : GaAs IC symp. 1994 Tech. Dig., pp. 189~192 (1994)
3) K. Murata et al : IEEE J. Solid-State Circuits, Vol. 33, No. 10, pp. 1527~1535 (1988)

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