半導体用語集
超音波顕微鏡法
英語表記:acoustic microscopy
パッケージに関連した故障解析手法の中でも代表的な方法である。樹脂封止パッケージだけでなくセラミックパッケージにも有効である。
非破壊で内部までみるという意味ではX線透視法と同じであるが,X線透視法とくらべてボイドや剝離部でのコントラストがつきやすい(位相差を利用)という特徴があるために,面実装パッケージのポップコーン現象⋆が表面化するとともに,必要不可欠な検査手法となった。X線透視法にくらべての短所は,水に浸さなければいけ
ないということと,実時間観測ができないという点である。
水に浸す必要がある理由は,超音波のレンズを構成するために水が必要だからである。空間分解能は使用している超音波の周波数に依存する,周波数が高いほど空間分解能が高くなるが,観察対象物中での滅衰も激しいため,空間分解能と減衰との兼ね合いから目的に応じて周波数が選ばれる。たとえば1GHzでの空間分解能は水中で1µmあるが進入深さは20µm,100MHzでは空間分解能はlOµm,進入深さは2mm,30MHzでは空間分解
能は35µmしかないが,進入深さは15mmもある。この値は物質によって異なる。パッケージに用いる樹脂での実測値としては,たとえば20MHzで1.6mm内部を観測した時の空間分解能として400µmである。
⋆ 面実装時に急激な温度上昇にさらされることにより,パッケージ材に浸入していだ水分が急激に気化し膨張することで,パッケージにクラックなどガ発生する現象。
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