半導体用語集

近接効果

英語表記:proximity effect

電子ビーム描画において基板に入射した電子ビームの錯乱により所望のパターン寸法がえられない現象を近接効果という。
入射電子がレジストや基板中で入射方向にそって徴小な角度で散乱しながら広がる現象を前方散乱といい、基板中で大きく角度を変えて散乱し広い範囲に広がる現象を後方散乱という。近接効果は、後方散乱電子が入射方向と逆方向に散乱し、レジスト中に再入射して感光させることによって生じる。複数のパターンが多く存在するバターン密度の大きな領域では,周辺パターンからの後方散乱電子によって、より多くのエネルギーが蓄積される。逆に、パターン密度の小さい領域では、周囲からの後方散乱電子の寄与が少ないため、パターン密度の大きな領域にくらべて、相対的な蓄積エネルギー量が低下する。この結果、同一の露光量でパターンを描画した場合に、パタ ン密度に応じてパターン寸法の変化が生じる。図形内の後方散乱電子の量の違いに応してバターンが変形することを図形内近接効果といい、周辺パターンで発生した後方散乱電子によって生じるパターンの変形のことを図形間近接効果という。後方散乱電子の及ぶ範囲は、電子の加速電圧の約1.7乗に比例しており、50kVでは10μm程度 ( σ値)である。


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