半導体用語集
X線リソグラフィ
英語表記:X-ray lithography
X線はレジスト中での透過能が高く,散乱や反射もないため,光リソグラフィで問題となる定在波効果,近接効果,基板表面形状などによる転写パターンへの影響がほとんどない。また,レンズを用いていないため,光リソグラフィのような焦点深度不足の問題は起こらない。このため,プロセス裕度は広く,寸法制御性と忠実性に優れた転写が可能である。反射防止膜や平坦化層は必要ないため,単層レジスプロセスが適用でき,塵埃による露光欠陥発生も少ないため,高歩留り,低コストの生産が期待できる。マスクと基板とのギャップが5~10μmの近接露光であり,マスク上の点から線源を見込む角に比例して半影ボケが生じ,解像度が制限される。また,X線の入射方向がマスク法線方向からずれるにつれて,パターン転写位置が面内方向にシフトする(ランアウト)。幾何学配置で決まるランアウトはマスク製作時に補正できるが,近接ギャップの誤差に比例して生じるランアウトの誤差分は,重ね合わせ精度を低下させる。これらの幾何学的転写誤差を小さくするには,線源とマスク間の距離を,線源径や露光フィールドにくらべ十分大きくすればよい。しかし,電子線衝撃型X線源やプラズマX線源では,X線の放射パワーが十分でないことに加え,等方的な放射であるため,強度の減衰が大きくなり高い解像度と高スループットを両立させることはきわめて困難である。これに対して放射光は指向性の強い大強度の軟X線がえられ,線源径も小さい。このため,放射光を用いたX線リソグラフィでは半影ボケやランアウト誤差はほとんど問題でなくなり,高精度化が達成され,またスループットを大幅に向上できることから次世代リソグラフィ技術として期待される。
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