半導体用語集

重金属汚染

英語表記:pollution of heavy metal

 シリコンウェハ中の結晶欠陥は、そこに作られたLSIの動作や性能、信頼性に多大な影響を及ぼす。このため、半導体デバイスを製造する基板としてのシリコンウェハは、その初期状態として欠陥を持たないだけでなく、LSI製造工程での履歴によっても結晶欠陥を発生させないようなものでなくてはならない。シリコンウェハ中に結晶欠陥を生じさせる要因はいくつかあり、重金属汚染はその中でも主要な要因の一つである。
 シリコンウェハ製造工程やLSI製造工程では、このような理由から厳重な汚染管理がされており、クリーンルームに始まり超純水や半導体グレードの超高純度薬品などが用いられる。装置、治具類も低汚染でかつ腐食しないように、薬液に触れるようなものはテフロン、ポリプロピレン、高純度塩化ビニールといった樹脂を用い、機器類の構造部品にも高品質のステンレスなどを多用している。こういった環境であっても、作業する人間からは生理分泌物としてナトリウム、カルシウム、リンなどが、また化粧品から亜鉛などが汚染として放出されたりする。また、装置類からは動作や劣化・腐食に伴ってステンレスの成分である鉄、ニッケル、クロミウム、銅などが放出される。これらの汚染量は、普通の環境の感覚で考えればまったくないに等しい量なのであるが、半導体製品製造の管理で要求する清浄度水準においては無視できない。
 ではシリコンウェハの汚染レベルを管理する際には、どの程度の濃度を対象にするかというと、事実上常に超高感度化学分析の感度限界ぎりぎりの領域である。というのは、こういった汚染はどのような量であれ何らかの悪影響が懸念されることと、LSIの集積度の向上に伴ってより低濃度の汚染でも有意な影響が生じるようになってくるために、事実上分析・検査能力が向上するごとにその時々の検出限界が管理すべき濃度レベルとなるためである。半導体業界では汚染不純物の量を慣習的に単位体積あるいは面積あたりの原子の数で表示しており、メモリデバイスでいえば、64 MDRAMが主力である現在、結晶中の汚染濃度は10¹³ atoms/cm³(300ppt)以下を当然のこととし、分析能力は10¹¹ atoms/cm³(3ppt)に届いている。また、ウェハ表面に吸着している汚染も計測、管理されており、こちらは慣習的に10¹⁰ atoms/cm² を単位濃度として1MCLと表記しているが、今日では分析能力は10⁸ atoms/cm² に届いている。

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