半導体用語集
電子なだれ効果
英語表記:electron avalanche effect
物質中の電子が電場で加速される時、気体分子に衝突してイオン化を起こすだけのエネルギーをえる程度に電場が強ければ、イオン化で新しくできた電子も加速されて次々に分子をイオン化し、電子の数がねすみ算的に増加する効果をいう。 それに伴って生じたイオンもこの過程に加わって、放電、絶縁破壊などが起こる。 気体中で起こることが多いが、液体や固体の中でもみられ、半導体中で起こる時は放電管に似た特性が現われることもある。 宇宙線のカスケードシャワーでは電子と光子の増殖が相伴って起こる。
(1 )気体の場合
外部電場の存在の下で電子が走行する間に気体分子との衝突電離で生じた新しい電子が、また次々に新しい電子を作っていき、イオン化で新しくできた電子も加速されて次々に分子をイオン化し、 電子の数がねすみ算的に増加する現象のこと。 1個の電子が単位距離 ( 1 cm) 走る間に生する新しい電子数の平均値は、いわゆるタウンゼントの第一電離係α (cm-I)と呼ばれる。 陰極からのN= Noeaxで与えられる。
(2 )固体の場合
電子または正孔が高電場で加速され荷電子と相互作用して、電子・正孔対を生成してなだれ的に増加する現象で固体の絶縁破壊機構の一つとしてあげられる。電子なだれ現象を用いる素子はインバットダイオードやアバランシェフォトダイオードがある。
また、pn接合における増倍因子の逆バイアス材依存性は,
で近似され、VB は絶縁破壊電圧、nは1.4ないし4の値をとることが知られている(Siでn≒3)。
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