半導体用語集

降伏現象

英語表記:breakdown phenomenon

(1)電気的降伏現象
pn接合ダイオードに印加された逆バイアス電圧がある値以上になると、急激に電流が流れるようになる現象のことを降伏といい、その時の電圧を降伏電圧という。ダイオードを使う立場からは耐電圧ということもある。降伏が生じ、ダイオードに大きな電流が流れても、ダイオードは整流作用を失うのではなく、バイアス電圧を0に戻すと特性は基に戻る。このような降伏を一次降伏といい、特性が永久に変化してしまう降伏(電流が流れ過ぎてpn 接合の構造的永久破壞が生した場合など)を二次降伏といって区別する。 一次降伏は空乏層内の電子的な機構によって生じる。しかも、それらには、電子雪崩降伏(avalanche breakdown) (「電子なだれ効果」の項参照)とツェナ降伏(Zener breakdown) (「ツエナ効果」の項参照)の2種類がある。
(2)機械的降伏現象(yield phenomenon)
物体に働く応力が弾性限界を超えてある値に達すると、応力の増加がほとんどないままで急激に塑性歪が増加する現象のことを降伏と呼ぶ。また、急激に塑性歪が増加する応力をその物体の降伏応力あるいは降伏点と呼ぶ。一定の歪速度で変形する時、降伏点で応力の急激な減少が起こる場合を特に降伏現象と呼ぶことがあり、軟鋼などの多結品金属材料で古くから知られていたが、シリコン、ゲルマニウムなどの共有結合単結晶、またイオン結晶でも起こる。 また、降伏現象の現われない場合もあるが、このような物体に対しては実用上適当な量の塑性歪を生ずる応力を持って降伏点を規定する。 その値は多くの場合塑性歪0.2%を生ずる応力としている(これを0.2%耐力ともいう)。


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