半導体用語集
電子衝撃型
英語表記:electron bombardment X-ray SO urce
金属ターゲットに高エネルギーに加速した電子を衝突させた時に放出される電磁波(X線)を利用するX線源。電子線励起型X線源ともいう。この電磁波には、エネルギー的に連続のスペクトルを持つ制動X線と線スペクトルの特性X線が重なっている。
制動X線の最短波長λ(nm)は電子の加速電圧V(kV)に反比例して短くなり、γ= 1.24/Vで与えられる。X 線強度は、これより長波長側に連続的に変化し、最短波長のおおよそ1.5倍の波長で最も強くなる。一方、特性X線は金属原子の内殻(内側からK、L、M殻と呼ぶ)の電子が励起され、これらが基底状態にもどる際に放出される電磁波、すなわち金属原子の電子軌道間のエネルギー差に基づく電磁波であるので、ターゲットの金属原子に特有の波長を持つ。K殻の電子がL殻の電子で埋められる場合に放出される特性X線をKɑ線と呼び、K殻の電子がM殻の電子により埋められる時に放出される特性X線を&線と呼ぶ。X線リソグラフィに適した X線を発生させる金属材科としては、バラジウム、モリブデン、シリコン、アルミニウム、銅があり、それぞれ、Pd-Lɑ : 0.44 nm、Mo-Lɑ: 0 . 54 nm、
Si-Kɑ: 0.71 nm、Al-Kɑ:0.83、Cu-Lɑ: 1.3nmの特性X線を発生させる。電子衝撃型X線源は小型で安価である反面、実用的な系ではX線強度が高々1 mW/cm2程度しかえられない難点があるため、LSI量産用としての利用には無理がある。実験用X線源としての利用価値が高い。
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