半導体用語集
COO
英語表記:Cost Of Ownership
半導体工場における単位製造コストを見積る指標。半導体工場に装置を導入する際の投資効果,装置の最適レイアウト,装置の選定などに活用する。1980年代にIntel社が開発し,その後,SEMATECH(Semiconductor Manufacturing Technology)および,SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)で標準化した。
COOは,半導体製品のコストの中で,装置に関するコストと,歩留り低下によって損失するコストの二つのみを考える。前者をCEO(Cost of Equipment Ownership;装置COO)と呼び,後者をCYL(Cost of Yield Loss;歩留り損失コスト)と呼ぶ。すなわち,COO=CEO+CYLである。
CEOは,装置のライフサイクル中に発生する固定費と変動費の合計を良品数で割った値である。なお,固定費と変動費を計算するための分類方式は2種類ある。一つはカテゴリで分類する原価中心方式であり,もう一つは機能で分類する機能中心方式である。ここで注意すべき点は,原価中心方式と機能中心方式は分類方法であり,計算する固定費と変動費はまったく同じ値となることである。さらに,CYLは,個々の工程ごとに歩留り低下によって損失するコストの総和を良品数で割った値である。COO,CEO,CYLの表示は,単位製造コストであり,¥(または$など)/ウェハ,¥/チップ,¥/LSI,¥/パッケージなどとなる。当然ながら,COO, CEO, CYLは,小さい値の方が大きい値よりも優れている。
COOの適用範囲は,シリコン集積回路に関するウェハ,LSI,パッケージなどに限定される。さらに,SEMI(SEMI E 35-95 A,半導体製造装置のCOO測定方法,1997年)ではデフォルト値と呼ぶ代表的なデータ値,省略値を準備しており,解析すべき問題以外のデータ値に適用できる。
なお,パッケージ,アセンブリ,組立などの,いわゆる後工程では歩留りが高く,CYLよりもCEO(装置COO)が重視される。したがって,後工程では,CEOを単にCOOと呼ぶ場合もある。
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