半導体用語集

ウェハ加工

英語表記:wafer marking

シリコンウェハ加工は一般的に単結晶シリコンのインゴットを出発材料として厚さ1mm弱で片面あるいは両面を鏡面状に研磨したウェハにするまでがその範疇に含まれる。商業用に用いられるシリコンウェハにはポリッシュドウェハ(鏡面研磨ウェハ)、エピタキシャルウェハ、拡散ウェハなどのバリエーションがある。製造工程的にみると、エピタキシャルウェハは完成したポリッシュドウェハを基板にしてエピタキシャル成長による単結晶シリコン層を積み増したものであるが、ウェハ加工といった場合はこのエピタキシャル工程を含む場合も含まない場合もあるので、この総論ではあまり踏み込まない。これは、エピタキシャル工程が、最終的に作ろうとするLSIデバイスの種類によってウェハメーカーで行われる場合とLSIメーカーで行われる場合の両方があるものと思われる。ウェハ加工工程を順を追って記述すると、結晶の外周研削・OF加工に始まり、スライス、ラップ、ケミカルエッチング、研磨という工程に大別される。仕上がり製品としてのシリコンウェハは通常の感覚ではイメージし難いほどの加工精度と清浄度に到達しているものである。そのため、実際にはそれぞれの加工段階ごとに洗浄と検査・計測が繰り返される。ところで、LSIの製造工程が病院の手術室をはるかに上回るほど清浄な超クリーンルームで、宇宙服のような無塵スーツに全身を包んだ作業者によって行われているイメージがあるために、ウェハ加工も同様な超清浄環境で行われているように思われがちであるが、ウェハ加工はいわゆる機械的な加工であるので、特にスライス、ラップといった前半工程のみた目は普通の機械加工工場とあまり変わらない。もちろん、シリコンの結晶中に不要な不純物が拡散して入り込んでしまうと具合が悪いので、化学的な意味での清浄度はそれ相当に管理されているが、半導体製造の感覚でいえばかなり汚いといってよいであろう。ウェハ加工の本質は、半導体感覚でいえばかなり汚い状況から始めて工程を追うことに機械的制度と清浄度を上げてゆき、最終的にはLSI製造に必要な寸法精度とLSI製造の工程に持ち込めるような清浄度まで持っていくということにあるといえよう。ウェハ加工のいま一つのポイントは加工そのものではなく計測にある。ウェハ加工が決める様々な寸法精度や特性の要求される値はその時々の計測技術の限界に挑むようなレベルであり、製品として払いだされるウェハすべてがそのような精度・特性であることを保証されなければならない。結果としてきわめて高価かつ専用の計測装置を多用することになるため、Cost of Ownership(いわゆるCOO)の観点からはウェハの製造コストの中には意外なほど高額の計測テストが含まれているということも忘れてはならない。


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