半導体用語集

パーティクル

英語表記:particle

ウェハ表面に付着した異物微粒子(ごみ)は通常パーティクルと呼ばれ、デバイスの歩留り低下や信頼性悪化の大きな要因となっている。不具合の代表的な例としてはパターン欠陥である。配線間にパーティクルがあると、断線やショートが生じる。また薄膜形成プロセスでは、パーティクル周囲の膜が均一に成長できない。さらにイオン注入プロセスでは、パーティクル周囲の膜が均一に成長できない。さらにイオン注入プロセスではパーティクルがマスクとなって、イオン注入のされない領域ができてしまう。たとえば、
SIMOXの埋め込み酸化膜層をイオン注入で形成する際に,酸素の注入され ない場所ではピンホールとなる。このようにパーティクルに起因したデバイス不良は電気的特性を論しる以前の問題であり、デバイスの微細化とともに今日きわめて重要なテーマになっている。
パーティクルのサイズは従来、デバイスのデザインルールの1/5程度といわれていた。これはデバイスの製造ではマスクを何枚も使用するから、確率的に計算された結果である。しかしながら現実にはデザインルールの半分程度のサイズが問題であり、ロードマップによると、たとえば0.18μmで、0.09μm以上のパーティクルが50個以下、0.15μmでは0.075μmのパーティクルが50個以下となっている。
パーティクルの発生源は多岐にわたっているが、クリーンルームの自動化や清浄度の向上により、今日ではプロセス製造装置からの発塵や、ウェハ製造でのパーティクルの取り込みが間題になっている。とりわけプラズマ関連の装置やイオン注入装置で発生するバーティクルや、ウェハ加工プロセスで搬送系からの裏面への付着、バックサイ ドダメージ面からのSi粒子の剥がれ、エピ成長装置内で発生する異物などがパーティクルの原因となる。パーティクル検査装置は光散乱の原理を利用するレーザバーティクルカウンタが一般的で、ラインでの評価にもよく用いられている。ウェハ表面に収束したレーザ光を照射・走査し、その散乱光をフォトマルなどで受光する。ポリスチレンラテックスの標準粒子径からの散乱光強度を基準として、パーティクルのサイズを求めている。現在
0.07μmのサイズまで測定できるようになった。
前述した異物徴粒子の他に、COPと呼ばれる結晶欠陥起因のパーティクルがある。これはウェハ表面ではピット形状をしており、異物微粒子とは形状が異なる。したがって散乱光の角度依存性が異なる現象を利用し、この二者を分別することも可能になってきた。また原子間力顕微鏡(AFM)を用いてCOPの形状を観察したり、SEMによりパーティクルの成分を評価することも行われている。さらにパーティクルカウンタで位置決めを行い、AFMで観察する手法も一般的になった。



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