半導体用語集

フッ酸

英語表記:hydrofluoric acid

<p>フッ酸(HF)溶液は古くからガラスのエッチング溶液として用いられ、また半導体産業においてもその創世期より、良質な電気的絶縁膜として用いられるシリコン酸化膜を剥離する溶液として用いられてきた。浄法においてもSC1処理後に、シリコン表面に形成される化学酸化膜中に取り込まれた不純物をフッ酸溶液処理でその酸化膜とともに除去し、引き続きSC2処理を行う場合がある。
フッ酸溶液処理によりシリコン基板上のシリコン酸化膜が除去された後のシリコン基板表面はほば全面水素で覆われており、 化学的に安定な清浄な表面であることが明らかにされている。 </p><p>しかし、SC1やSC2処理後にウェハ表面が化学酸化膜に覆われている場合より活性なので、不純物の付着には注意しなければならない。電気的導電材料をシリコン基板上に堆積し、両者の間に電気的な接触を取る場合には、堆積前にシリコン基板上に存在する自然酸化膜や通常のRCA洗浄後に形成される化学酸化膜を除去しなければ、コンタクト抵抗の増大を招き問題となるので、通常これら酸化膜はフッ酸系溶液処理により除去する。</p><p>フッ酸溶液中では「SC2」の項で述べたように、 cuのような貴の金属イオンがシリコン表面に付着してシリコンから電子を奪い、Cuメタルとして付着する。 特にフッ酸溶液処理は自然酸化膜を剥離して、シリコン表面を露出するために行われることから、このような金属汚染が生じる機会が多いと考えられる。このような背景から、 SC2と同様にフッ酸溶液に酸化剤である過酸化水素水を少量添加し、前述のような金属イオンを強制的に酸化してシリコン基板表面での析出を防ぎ、また表面に付着している金属不純物を除去する。</p><p>さらにこのフッ酸過酸化水素水混合溶液は、過酸化水素水によるシリコンの酸化とフッ酸によるその酸化物の除去という過程で、シリコン基板をエッチングする(エッチングレートは添加する過酸化水素水の量に依存するが、おおむね表面のラフネスが増加するほどのエッチング量ではない。またこの溶液処理後のシリコン表面は水素終端されている)。表面にパーティクルが付着されている場合、このようなエッチングはリフトオフによりパーティクルがある程度除去されることが期待できる。実際この溶液にメガソニックを印加して洗浄を行った場合に、優れたパーティクル除去特性が得られ、また同時に金属不純物、自然酸化膜の除去ができることが明らかにされている。</p>


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